Visual Studio 2015 で Windows 10 向けアプリを開発

 

本記事は、マイクロソフト本社の Somasegar's blog の記事を抄訳したものです。 【元記事】 Building Apps for Windows 10 with Visual Studio 2015 2015/07/29 6:30 PM

 

Windows ユーザーと Windows 開発者の皆様が心待ちにしていた Windows 10 がついにリリースされました。開発者の皆様にとって Windows 10 は、1 つの統合 Windows コアによる Windows 実行というプラットフォーム統合のこれまでの取り組みの集大成となるものです。この統合が実現したことで、ユニバーサル Windows プラットフォームをターゲットとした 1 つのアプリを、ポケット サイズのスマートフォンから、バッグに収まるタブレットやノート PC、デスク上の PC、リビングの Xbox といったあらゆる Windows デバイスで実行できるようになりました。つまり、HoloLens (英語)Surface Hub、IoT デバイス (Raspberry Pi 2 (英語) など) を含むあらゆる最新デバイスが Windows ファミリに加わったということはもちろん、これらすべての Windows デバイスで利用できるアプリの入手、配布、更新が、単一の統合ストアを通じて可能になったということです。

本日は、Windows 10 の RTM に加えて、ユニバーサル Windows プラットフォーム向けのアプリを Visual Studio 2015 で開発できるようになったこともお知らせいたします。Windows デベロッパーセンターでも、ユニバーサル Windows アプリの受付を開始いたしました。

各種ツールが 3 月に初めてプレビュー版として公開されて以来、Visual Studio のさまざまな領域には、ユニバーサル Windows プラットフォーム向けのアプリ開発を効率化する更新が数多く追加されています。皆様からのフィードバックを基に、これらのツールはこの数か月間で飛躍的に改善されました。ご協力に深く感謝いたします。

ツールの入手

Visual Studio 2015 RTM をまだ入手されていない場合は、無料の Community エディションをインストールしていただけます。Professional エディションや Enterprise エディションをご希望の場合は、VisualStudio.com からダウンロードできます。その際、セットアップで [カスタム] を選択し、ユニバーサル Windows アプリ開発ツールをインストールしてください。

既に Visual Studio 2015 RTM をインストール済みの場合は、既存の Visual Studio インストール環境にこれらのツールを追加できます。インストーラーを実行するか、コントロール パネルの [プログラムと機能] を開いて Visual Studio を選択し [変更] をクリックします。セットアップで [変更] をクリックし、[ユニバーサル Windows アプリ開発ツール] を選択してください。

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プロジェクトの作成

ユニバーサル Windows アプリは、Visual Studio 2015 の新しいプロジェクト テンプレートを使用して、C#、VB、C++、JavaScript のいずれかお好みの言語で開発できます。Windows 10 では、1 つのユニバーサルアプリ プロジェクトを作成するだけで、PC、スマートフォン、タブレット、Xbox などのあらゆる Windows 10 デバイスに展開し、実行させることができます。もちろん Windows 8.1 の場合と同様に、Windows 10 搭載デバイスの多様な機能とフォーム ファクターに対応した複数のプロジェクトをソリューション内に作成し、共有プロジェクト機能を使用して可能な限りプロジェクト間でコードを共有するという方法もあります。また、Windows 10 SDK をターゲットとする Win32 アプリケーションを作成し、プラットフォームが提供する新しい API を活用することも可能です。

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NuGet パッケージとして提供される .NET Framework ライブラリ

ユニバーサル Windows アプリには、.NET Framework のライブラリセット全体が NuGet パッケージ (NuGet v3 を基盤に構築) として格納されます。これにより、.NET の豊富な機能を通してすべての Windows 10 デバイスで一貫した動作を実現できるだけでなく、マイクロソフトが新しい API をより早いペースでお届けし、その API をあらゆるモバイルデバイスに対応させながら常に進化させていくことが可能になります。これらのモバイル デバイスを対象とした開発では、更新されるプラットフォーム ターゲットのセットをポータブルクラス ライブラリ (PCL) で使用します。

XAML デザイナーと XAML エディター

ユニバーサル Windows プラットフォームでは、組み込みのプラットフォーム機能を使用して、あらゆる Windows 10 デバイスに合わせてアプリを調整できます。XAML デザイナーが強化され、ビュー ステートを作成、編集できるようになりました。ビュー ステートは、さまざまなフォームファクターで実行する際に自動で起動することができます。RelativePanel などの新しい Windows 10 コントロールに加え、デバイスの違いにきめ細かく対応したビューを指定できる機能があれば、ユーザーを楽しませる魅力的なユーザーエクスペリエンスの提供に不足はありません。XAML アプリの設計が初めてという開発者でも、簡単に始められます。こちらのビデオ (英語) で概要をご確認ください。

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.NET ネイティブの機能強化

.NET ネイティブは、C# と VB で開発された Windows 10 ユニバーサル アプリを最適化し、起動時間の 60% の短縮と、メモリ使用量の 15 ~ 20% の削減を可能にします。マイクロソフトでは、.NET ネイティブのコンパイラのスループットとエラー診断機能を継続的に強化しています。また、Windows デベロッパー センターによるアプリのクラウド コンパイルが可能になったことで、今後はアプリを再提出していただかなくても、修正や機能強化をアプリに適用できるようになりました。.NET ネイティブの詳細については、こちらをご覧ください。

ストア向けアプリのパッケージ化

ユニバーサル Windows アプリの名称は、ストアで予約できます。Visual Studio では、Windows デベロッパー センターに提出するためのアプリ パッケージを作成することができます。また、SDK のツールを使用することで、エンタープライズ向けシナリオでのサイドローディングに対応したパッケージを生成することも可能です。Visual Studio のマニフェスト デザイナーが更新され、アプリで公開可能なすべての機能をターゲットに設定できるようになりました。

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まとめ

ぜひこれらのツールをお試しいただき、Visual Studio の Connect サイト (英語)[Send-a-Smile] (英語)Windows ツールに関するフォーラム (英語) などからフィードバックをお寄せください。新たにリリースされたプラットフォームを基盤とし、利用可能な機能を最大限に活用した Windows 10 向けアプリの申請をお待ちしております。

Namaste! (ではまた!)