Visual Studio 2015 Update 3 RC

 

本記事は、マイクロソフト本社の The Visual Studio Blog の記事を抄訳したものです。【元記事】 Visual Studio 2015 Update 3 RC 2016/6/7

 

このたび Visual Studio 2015 Update 3 RC がリリースされました。今回のリリース候補版 (RC) では、主に安定性やパフォーマンスに関する更新と不具合の修正が行われており、一部の機能も更新されています。この記事では主な変更点についてお伝えしたいと思います。

Tools for Apache Cordova: 今回の更新には、Intune、Azure Mobile Engagement、セキュリティ、SQLite ストレージの各プラグインを追加する TACO Update 9 (英語)TACO Update 10 (英語) が含まれています。また、npm パッケージ名か ID のいずれかを使用して構成デザイナーからプラグインを追加する機能も含まれています。

 

Application Insights および HockeyApp: Developer Analytics Tools v7.0.1 に ASP.NET 5 RC1 プロジェクトおよび ASP.NET Core RC2 プロジェクト用の診断ツール イベントが追加されました。検索エクスペリエンスも改良され、フィルターや日付の範囲、対象イベントなどの検索条件を変更すると検索結果が自動的に更新されるようになりました。検索結果では、要求からコードにジャンプすることができます。検索メニューの [find telemetry for this…] も改良されています。詳細については、Microsoft Azure のドキュメント サイトで公開されているリリース ノート (英語) を参照してください。

 

デバッグ機能と診断機能: Update 3 RC では、HoloLens や Windows IoT などの Windows OneCore デバイスで動作するアプリケーション用の診断ツール (英語) がサポートされました。また、C++ のエディット コンティニュ機能が改善され、FASTLINK が有効化されている場合のパフォーマンスと信頼性が向上しています。XAML UI のデバッグ機能も改良され、アプリ内のフォーカスが変化すると、Live Visual Tree の新機能である Track Focus 機能により Visual Tree の選択が自動的に変わり、フォーカス中の要素が更新されます。

 

Visual Studio IDE: オンライン ID でのサブスクリプション利用や、IDE のロック解除に使用するキーなどについて多数のフィードバックが寄せられていましたが、今回の更新ではこれらの問題に対処しています。まず、サブスクリプションを有効化する際に my.visualstudio.com にログインする必要がなくなりました。また、プロダクト キーに関するエラー処理が改良されると共に、すべてのユーザー アカウントとライセンス関連の操作のセキュリティが HTTPS で保護されるようになりました。さらに、サブスクリプションの有効化やプロダクト キーの入力を行う [Account Settings] ダイアログのアクセシビリティが改善されました。

 

C#/VB/Roslyn: 今回のリリースでは、ソリューション全体のコード診断実行時などのさまざまなパフォーマンスが強化されました。コード診断のパフォーマンス強化の詳細については、MSDN の「ソリューション全体でのマネージ コードの分析を有効化または無効化する方法 (英語)」のページをご覧ください。このほかにも以下のような不具合が修正されています。

  • C# のエラーや警告を収集するバックグラウンド コード分析エンジンのパフォーマンスが強化されました。これにより、全体的なメモリ消費量も大幅に削減されています。
  • C# の [GoTo Implementation] と [Find All References] のパフォーマンスが強化されました。これらの機能を使用するには、オブジェクトを選択して右クリックし、メニューから選択します。
  • 参照アセンブリや NuGet パッケージの型の使用を提示するオプションを有効化できるようになりました。このオプションは、[Tools]、[Options]、[Text Editor]、[C#]、[Advanced] の順に移動し、[Using Directives] の下で設定します。
  • ドキュメント、プロジェクト、またはソリューションに “fix all” 操作を実行する場合に、進行状況バーが表示されるようになりました。

 

その他の更新: このリリースでは、ユニバーサル Windows アプリ用ツールが強化されました。アーキテクチャ ツールについては、パフォーマンスや信頼性に関する多くのフィードバックへの対応がされているほか、コードマップ、レイヤー検証、UML 図などの機能が更新されました。Visual C++ の C++ コンパイラ、C++ ライブラリ、C++ MDD もこのリリースで更新されました。

 

今回のリリースの詳細については、Visual Studio 2015 Update 3 RC のリリース ノート (英語) および Visual Studio 2015 Update 3 RC の既知の問題 (英語) を参照してください。その他の関連製品はダウンロード ページから入手できます。リリース ノートや各製品は、Azure でホストされている VM (英語) でも閲覧、ダウンロードが可能です。今回のバージョンは、前バージョンの Visual Studio 2015 Update 2 をインストールした環境にインストールできるようになっています。また、今回は同時に Team Foundation Server (TFS) 2015 Update 3 RC もリリースされました。その詳細については、Update 3 RC のリリース ノート (英語) および Update 3 RC の既知の問題 (英語) を参照してください。

 

いつものお願いではありますが、皆様からのフィードバックをお待ちしています。問題がありましたら、Visual Studio のフィードバック送信オプション (Send a Smile) からご報告ください。機能に関するご提案は、UserVoice (英語) へご投稿ください。

 

clip_image002 John Montgomery (Visual Studio 担当プログラム マネージメント ディレクター)@JohnMontJohn Montgomery は Visual Studio、C++、C#、VB、JavaScript、.NET の製品設計とユーザー サポートを担当しています。マイクロソフトには 17 年前に入社し、以来、開発者向けテクノロジの開発に従事しています。