[アーカイブ] パワポ職人芸 番外編 – Visual Studio 11 Beta 注目してほしい機能~その可能性~その3

<オリジナル投稿 2012年3月6日 本ポストの情報はオリジナル投稿時点のものです。マイクロソフトの正式な見解や製品の仕様を保証するものではないことをご了承ください。>

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対象: Visual Studio 11 Beta

■PowerPoint Storyboarding
パワポ職人芸の番外編その2です(その1はこちら)。Visual Studio 11 Beta の注目してほしい機能のその3でもあります(その1: Feedback Client、その2: 探索的テスト)。
Visual Studio 11 Beta では、ユーザーのフィードバックを受け入れる仕組むが多く取り入れられています。これらは、継続的フィードバック (Continuous Feedback) のコンセプトの基づく進化です。先に、Feedback Client を紹介しましたが、Feedback Client は、動くソフトウェア (Working Software) を使ってもらいフィードバックを効果的にやり取りするための仕組みです。それに対して、今回ご紹介する機能は、動くソフトウェアが作られる前に、「いかにユーザーのニーズをフィードバックとして正しく理解できるか」という命題に対する支援を行ってくれます。
ざっくりいうと、要求定義で使ってもらえる機能と思ってください。ただ、重厚な要求定義手法をサポートするということではなく、非常にライトウエイトなアプローチが可能になるようになっています。それは、PowerPoint を使った「動く絵コンテ」という形で実現します(だからパワポ職人芸!)。
この機能は、PowerPoint のプラグインと PPTX テンプレートという非常にシンプルな形で提供されます。
また、このツールは、開発チームが使うだけを想定しているというより、エンドユーザーにも使ってもらうことを想定しています。だから、誰でも使えるパワポなのです!
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見てのとおりの PowerPoint です。よく見ると、[ストーリーボーディング]というリボンが追加されています。こちらを使ってアプリケーションの絵コンテを作っていくわけです。
百聞は一見にしかずですので、まずは、下のスライドショーを見てください。数枚だけでいいです。

【17-A-2】 10年後も通用する開発環境の秘訣 <デブサミ2012>

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「動きのある絵コンテ」と書いた所以は、こちらの動画で同じものをご覧ください。

※7分33秒あたりからごらんください。
https://youtu.be/wDW-VeUQv4o?hd=1&t=7m32s
PowerPoint ですので、各種の図形、画面ショット、クリップアートを駆使できます。しかし、この機能には、「ストーリーボード図形」が提供されているのです。ちょうど上の画面ショットの右側にでているのがそれです。アプリケーションでよく使う部品があらかじめ登録されています。
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種を明かすと、これらは単なる図形や画像でできています。これらをグループ化しているにすぎません。要するにふつうの PowerPoint の部品たちなのです。これらをあらかじめ用意してあるということと、自分たちで容易に登録して再利用できることがこの機能の特徴です。
PowerPoint でストーリーを補完することで、見た目で伝わりやすく、共通認識を促進することができます。これは、エンドユーザーとプロダクト オーナー、そしてプロダクト オーナーとチームメンバーも同様に同じもので共通認識ができます。
もちろん、ユーザーストーリー本体には、自然言語で簡潔にストーリーの概要が記述され、プロダクトバックログとして運営されるわけです(※用語がわからない方は、要求管理がつつがなく行われていると思ってください)。これを TFS 11 Beta がいい感じに一元管理してくれているわけですが、この PowerPoint のストーリーボードは、TFS 11 Beta と連携することが想定されています。すなわち、作業項目(特にユーザーストーリー、プロダクトバックログ項目)と関連付けができ、ユーザーからすると、PowerPoint から、もしくは、自分の関心のあるバックログ項目からアクセスし、編集などができ、チームからすると、自分たちが担当するバックログ項目からユーザーの想いや、ユーザーとプロダクト オーナーが行ったコミュニケーションや合意事項を視覚的にも理解することができるようになるわけです。
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たかが、PowerPoint されど、PowerPoint です。普段から使い慣れたツールを開発シーンで活用するのは、Visual Studio 2010 からのコンセプトであり、真骨頂のひとつでもあります。この世界に、われらがパワポさんも含まれる世の中です。開発シーンで、パワーポッターが活躍するわけですね。エンドユーザー側のパワーポッターと開発チーム側のパワーポッターにより、よりビジネス価値を生む、動くソフトウェアが加速する・・・なんて幸せなんでしょうか。
さて、このあたりに関連するセッションとして、JaSST’12 Tokyo では、「品質」がこの10年間で変わってきたという話をしました。
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また、デブサミ2012 では、継続的フィードバックとして、Actionable Feedback の例としてご紹介をしました。
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これらは、すべて、ビジネスアイディアをビジネス価値に動くソフトウェアで恙なく、提供し続けるために今求められていることです。
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Visual Studio 11 Beta 紹介シリーズ: