リリースへの道: Visual Studio のインストール方法を刷新

 

本記事は、マイクロソフト本社の The Visual Studio Blog の記事を抄訳したものです。【元記事】 On the Road to Release: Redesigning Visual Studio Installation 2016/6/17

 

Visual Studio の次期リリース (コードネーム「Visual Studio “15”」) の進捗を細かくチェックしているという方は、次のリリースで私たちが最も大きなテーマに掲げているのがインストールと更新であることはお気付きなのではないでしょうか? 以前のブログ記事 (下記リンク参照) でもお伝えしたとおり、現在マイクロソフトは、標準のインストールを軽量化し、信頼性と管理性を向上させることを目指してリファクタリングを進めています。

新しい Visual Studio のインストーラー: より高速、より軽量に、皆さまの開発ニーズに適応

//build では新しいインストールエクスペリエンスがお試しいただけるプレビューをリリースしましたが、これには最小限の Visual Studio 用「コア エディター」が搭載され、ディスク容量は約 320 MB にまで縮小されました。このリリース (およびそれに続くリリースの Preview 2) では、.NET デスクトップ アプリ、Python、C++、Unity のエクスペリエンスがサポートされており、このインストールに関する取り組みに対して早期フィードバックをいただいています。Visual Studio の他のツールコンポーネントについても、影響が小さい新しいインストールモデル (英語) への移行作業が進んでいます。最終的には、「従来型」のインストーラーは新しいエクスペリエンスとセットアップ エンジンに切り替えられます。

 

インストール エクスペリエンス

セットアップ エクスペリエンスは Visual Studio ユーザーなら必ず使用するものであるため、マイクロソフトでは設計が完成する前にできるだけ多くの皆様のご意見を伺いたいと考えています。今夏末にはインストーラー UI が刷新された Visual Studio “15” をリリースする予定ですが、その前に、通常は公開しない試作段階の UI モックアップを公開します。これは社内で「ブルーライン」と呼んでいるもので、青写真に過ぎないため実際の実装とは異なります。ワイヤー フレームに多少肉付けされた程度のもので、これを使用して、ユーザーが UI を使用するさまざまなパターンを調査しています。ぜひこのモックアップをご覧になり、簡単なアンケート (英語) にご協力ください。

Visual Studio の新しいインストール エクスペリエンス (英語)

スタックを選択して自分好みのインストールを

上記以外にも、現在機能の統合を進めている「ワークロード」についても皆様からご意見を伺いたいと考えています。Visual Studio にはインストールする機能を非常に細かく制御できる高度なセットアップ オプションが用意されています。Visual Studio “15” では、現行の VS よりもさらに高度な制御が行えるようになります。しかし、ユーザーの皆様からは、デスクトップ開発用の C++ や Web 開発用の C# というように、「ワークロード」をインストールできるようにしてほしいという声を多くいただいています。

ワークロードとしてどのようなものが適切であるか調査した結果、以下をご用意することにしました。

  1. ユニバーサル Windows プラットフォームの開発
  2. Web 開発 (ASP.NET、TypeScript、Azure ツールなど)
  3. C++ での Windows デスクトップ アプリの開発
  4. .NET (Xamarin など) でのクロス プラットフォーム モバイル開発
  5. .NET デスクトップ アプリケーションの開発
  6. C++ での Linux および IoT の開発
  7. Cordova でのクロス プラットフォーム モバイル開発
  8. C++ (Android や iOS など) でのモバイル アプリの開発
  9. Office/SharePoint アドインの開発
  10. Python での Web 開発 (Django や Flask のサポートなど)
  11. データ サイエンスおよび分析アプリケーション (R、F#、Python など)
  12. Node.js 開発
  13. クロス プラットフォーム ゲームの開発 (Unity など)
  14. ネイティブな Windows ゲームの開発 (DirectX など)
  15. データ ストレージおよびデータ処理 (SQL、Hadoop、Azure ML など)
  16. Azure クラウド サービスの開発および管理
  17. Visual Studio 拡張機能の開発

これらのワークロードをどのように提示するかを検討しています。次に示すのは、初期の試作段階の画面です。

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最後にご協力のお願いです。このブログ記事のコメント欄や Connect、その他のシステムからご意見をお寄せください。また、このインストールに関する取り組みを効率的に洗練、改良するために、アンケート (英語) にご協力ください。ぜひご回答いただきますようよろしくお願いいたします。

 

clip_image004 Tim Sneath (Visual Studio プラットフォーム担当主任プログラム マネージャー)Tim Sneath は Visual Studio の導入および拡張性を担当するチームの責任者で、開発者がマイクロソフトのプラットフォームで魅力的なアプリケーションを作成するための支援を行っています。また、プライベートでは母親にコンピューターは敵ではないことを理解してもらうために努力しています。さまざまなことに興味を持っていますが、中でも古い Windows リリースの収集に凝っていて、80 年台終盤からの各リリースの未開封パッケージをほぼすべて所有しているという一面を持っています。