業界の先進企業が実施するモバイル アプリ変革

本記事は、マイクロソフト本社の The Visual Studio Blog の記事を抄訳したものです。【元記事】 How do industry leaders set their mobile apps apart? 2017/2/16

 

技術革新とユーザー レベルの向上により、アプリ品質に要求される水準はこの数年間で大幅に上昇しています。各業界の先進企業では、ユーザーのハイレベルな要望に対応し企業間競争で優位に立つために、(1) ありふれたアプリから優れたモバイル エクスペリエンスへの転換、(2) 単純なデータ対応型機能から学習や改良ができるインテリジェントなデータ駆動型アプリへの進化、(3) 一体型アプリから機能に特化したアプリのモバイル ポートフォリオへの移行という 3 つの大きな変革に投資しています。ぜひ今回ご紹介するアイデアを、お客様のモバイル エクスペリエンス刷新やビジネスの成長にお役立てください。

今回ご紹介する戦略の詳細にご興味がある方は、電子ブック『モバイルで競争を優位に: モバイル DevOps とクラウドでアプリを差別化する方法 (英語)』をお読みください。

変革 1: ありふれたアプリからすばらしいエクスペリエンスへ

ユーザーがまた利用したくなるアプリ

標準的な機能型アプリはもはや時代遅れです。一般、企業を問わず今日のモバイル ユーザーは、使いやすいユーザー インターフェイス、地理情報、その他の「普通の」アプリ機能では満足できません。ユーザーは、高速で関連性が高くパーソナライズされた機能を持ち、どんなデバイスでも使用できる、完全にネイティブなモバイル アプリを求めています。

Bloomin'Brands, Inc. では、モバイル アプリを活用してファミリー レストランでのエクスペリエンスを刷新し、顧客ロイヤリティを高めてリピート顧客を獲得しています。同社の Outback Steakhouse ブランドが提供する Outback Steakhouse アプリでは、最寄りの店舗検索、予約、自動チェックイン、席の確保、会計、割引の適用など、一連のアクションを顧客がすばやく簡単に行うことができます。

次のビデオでは、ユーザーから高評価を得ている Outback Steakhouse のアプリをご覧いただけます。

すべてのユーザーに同じレベルを提供

もはや、アプリに「企業向け」「一般向け」の差はありません。社員は、個人用アプリと同様のシームレスで便利なエクスペリエンスを業務用アプリに求めています。IT 担当者がそれに応えられなければアプリは使われなくなり、企業の努力や投資は無駄になってしまいます。

Alaska Airlines では、従業員にも顧客と同じレベルを提供するという基準を定め、顧客のユーザー エクスペリエンスを反映した従業員向けアプリ ポートフォリオを採用しています。たとえば、社内アプリの Hopper では、従業員がどこからでも旅費手当にアクセスしたり、自動的にチェックインしたり、運航状況を確認したり、モバイル搭乗券を受け取ったりできます。

次のビデオでは、顧客のエクスペリエンスを従業員向けアプリに採用した Alaska Airlines の例をご覧いただけます。

変革 2: データ対応型アプリからデータ駆動型インテリジェンスへ

あらゆるデータの活用

高品質なアプリでは、単純にデータの入力や編集を行うだけではなく、データから得たインテリジェンスを活用することができます。たとえば、ユーザーの特定、アプリの操作内容の追跡、顧客の購入内容の把握などの多様な機能を備えています。企業はこの情報を利用してトレンドを掴み、顧客ロイヤリティや従業員の満足度の向上、ビジネス上の意思決定などに活用できます。

Nuvem Tecnologia では、モバイルとクラウドを組み合わせて、各地の農家におけるビッグ データ機能の活用を実現しました。同社の AgroSIG アプリでは、ブラジル全土の農家の複雑な農作業プロセスを近代化し、農業データの集約とミスが発生しやすい紙媒体レポートの排除を実施しました。デバイスで撮影した写真と GPS を利用した履歴データの分析結果から害虫被害を把握することで、農家は情報を元にリアルタイムで意思決定し、収穫量を増加させることができます。

次のビデオでは、Nuvem Tecnologia のデータ活用による農作業プロセスの改善をご覧いただけます。

変革 3: 単一アプリから複数アプリのポートフォリオへ

イノベーション ハブの構築

3 つ目は、モバイル アプリのエクスペリエンスではなく、ビジネスの構築とアプリの更新方法の変革です。企業のビジネス戦略の中心要素としてモバイル戦略は不可欠です。その変革のステップとして、従来の一体型アプリから役割ごとまたは機能ごとに特化したアプリのポートフォリオに移行することが重要となります。

先進企業では、反復的に自動化されたプロセスを確立することで、フィードバック収集とリリースのサイクルを迅速化し、新規プロジェクトの提供や既存アプリの継続的な改良を行っています。

Dutch Railways は、「すべてをこなせる」重い一体型アプリから単機能の軽量なアプリに移行するというモバイル エクスペリエンスの再構築のトレンドを取り入れています。同社では、以前使用していた時代遅れの Rail Pocket という通信システムを新規デバイス向けに再設計する代わりに、タイム シート、時刻表、ログの保守などの各機能に特化した 8 種類のアプリを開発しました。これにより、Dutch Railways ではアプリの改良や新機能の追加を迅速かつ容易にできるようになりました。

次のビデオでは、7,000 人以上が利用する情報量豊富な Dutch Railways の社内アプリの構築のようすをご覧いただけます。

まとめ

モバイル ファーストの世界では、ユーザーの要望やビジネス ニーズは常に変化しています。成功を収めている業界の先進企業は、このような変化を受け止めてビジネスに応用しています。競争力を維持し新しいモバイル エクスペリエンスを提供する方法については、電子ブック『モバイルで競争を優位に: モバイル DevOps とクラウドでアプリを差別化する方法 (英語)』をお読みください。

Cormac Foster (シニア製品マーケティング マネージャー)Cormac Foster はモバイル製品マーケティングを担当しています。マイクロソフトに移籍する前は Xamarin に勤務し、アナリスト関係管理およびソート リーダーシップを担当していました。また、Xamarin で勤務する以前はソフトウェアのテスト、研究、マーケティングなどさまざまな業務を担当していました。