マイクロソフトが Eclipse Foundation に参加、コミュニティに提供するツールを拡充

 

本記事は、マイクロソフト本社の The Visual Studio Blog の記事を抄訳したものです。 【元記事】 Microsoft joins the Eclipse Foundation and brings more tools to the community 2016/3/8

 

マイクロソフトの開発者の使命は、あらゆる開発者があらゆる OS であらゆるアプリケーションを開発することに対する支援エクスペリエンスを提供することです。この使命を果たすには、オープン性、柔軟性、相互運用性を確保し、開発者や開発チームのニーズに対応して、アイデアを製品化するためのツールやサービス、プラットフォームを提供する必要があります。

マイクロソフトは、Eclipse コミュニティと協力してこのビジョンをさらに進化させるために、現在開催中の EclipseCon に参加しています。マイクロソフトは、Eclipse 開発者および Java 開発者のコミュニティがすばらしい成果を挙げていること、Eclipse 開発者ツール (英語) が世界中で膨大な数の開発者に使用されていることを高く評価しています。事実、長年にわたり Eclipse Foundation と協力して Visual Studio Team ServicesMicrosoft Azure などのアプリケーションプラットフォームや開発サービスのポートフォリオ全体に対応した Java エクスペリエンスの改良に取り組んできました。

このたび、マイクロソフトは Eclipse コミュニティとの関係をさらに深めるために、Eclipse Foundation に Solutions Member として参加することを発表しました。Eclipse Foundation への参加により、Eclipse コミュニティとの協業体制を強化して、すべての開発チームに向けて優れたツールやサービスを提供すると共に、継続的にクラウド サービスや SDK、ツールの改良に取り組んでまいります。

マイクロソフトは現在多数の Eclipse ベース ツールを提供しています。Azure Toolkit for Eclipse および Java SDK for Azure (英語) は、Eclipse ユーザーによるクラウド アプリケーション開発を可能にするものです。また、無料の Team Explorer Everywhere プラグインでは、開発者の IDE から Visual Studio Team Services のソース管理、チームサービス、DevOps の全機能にアクセスできます。これらのツールは今後も引き続き Eclipse Marketplace (英語) から提供されます。

今回、私は Codenvy (英語) の Tyler Jewell 氏と共に、新しい Azure および Visual Studio Team Services と Eclipse Che 上に構築された Codenvy のワークスペース自動化ツールの相互運用性についてもご紹介しました。Visual Studio Team Services、Azure、Codenvy を併用することにより、ソフトウェア開発チームはかつてないほど簡単に共同作業を進めることができます。Codenvy の新しい Visual Studio Team Services 拡張機能を使用して、マイクロソフトのツールからオンデマンドで Codenvy のワークスペースを有効化することにより、アジャイル開発の手法や原則に適合する自然なワークフローを作成できます。Azure VM Marketplace には Codenvy が事前構成された仮想マシンが追加され、開発者は個人の Codenvy ワークスペースを Azure に瞬時にプロビジョニングできます。

この他にも、Java 開発者および Eclipse 開発者に向けて、各種プラットフォームに対応した強力な開発ソリューションやサービスを提供するツールやサービスを発表します。

マイクロソフトは、EclipseCon で基調講演に参加するほかに、会場にブースを設置し、以下の 2 つのセッションを開催します。

 

モノのインターネットに関する予想外の事態 (Azure IoT 担当シニア プログラム マネージャー、Olivier Bloch)

最新のエンドツーエンドの IoT ソリューションを構築するために、各種言語で開発されたアプリケーションを実行する多種多様なプラットフォームを搭載したさまざまなデバイスのフォーム ファクターをクラウドに接続するという作業は、この文のように複雑になりがちです。この開発者向けのセッションでは、Azure IoT サービスやデバイス SDK、ツールを使用してこの問題に対応する方法について、豊富なデモを交えながらご説明します。センサーから高度な分析機能まで、さまざまなオープンソースの SDK やツールを活用することにより、デバイスを簡単に接続し、活用されていないデータの取得や分析を行ったり、IoT インフラストラクチャの監視や管理を行ったりすることができます。

 

共通の開発者サービス群への複数の IDE の統合 (Visual Studio Team Services 担当ソフトウェアエンジニアリングマネージャー、 Dave Staheli)

最新のアプリケーションでは、複数のプラットフォームやフォーム ファクターに対応するために多様なツールや言語が必要とされます。開発部門の各チームでは、アプリケーションの計画、コーディング、ビルド、追跡、テスト、展開、監視の作業ごとに異なるツールが使用されることが一般的です。これらの作業を標準化して、チーム間の摩擦を減らすことはできないでしょうか。このセッションでは、マイクロソフトが採用しているプラグイン開発の手法の詳細について説明します。さまざまな IDE 向けに複数のプラグインを構築し、共通のチーム サービスに統合すれば、開発者は 1 つのチーム作業に多様なツールを使用することができます。このセッションでは、複数の IDE 向けのプラグインにコードを再利用する方法について実体験をご紹介するほか、Eclipse、IntelliJ、Visual Studio のデモを行い、この作業をさらに容易にするための最新のテクノロジについて説明します。

今回の発表は、クロス プラットフォーム開発に対するマイクロソフトの投資をさらに強化するものです。また、Eclipse Foundation に参加することで、マイクロソフトの取り組みが Eclipse 開発者および Java 開発者に正式に周知されることと期待しています。今後も Eclipse コミュニティと協力して、さらなる成果を挙げることを期待しています。アイデアやご意見がありましたらぜひ Visual Studio の UserVoice サイト (英語) までお寄せください。

最後までお読みくださりありがとうございました。

 

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Shanku Niyogi (Visual Studio チーム、ゼネラル マネージャー) @shankuniyogi Shanku Niyogi は 1998 年にマイクロソフトに入社して以来、ほとんどの期間を開発者ツールやランタイムの開発に費やしてきました。現在はオープン ソース ツール グループのリーダーを務め、新しいクロス プラットフォーム対応の Visual Studio Code 製品、Node.js 向けのマイクロソフト製ツール、Visual Studio IDE 以外の多数のマイクロソフト製ツールを担当しています。