ASP.NET Core RC2 向けの最新 Web 開発ツールをリリース
本記事は、マイクロソフト本社の The Visual Studio Blog の記事を抄訳したものです。【元記事】 Announcing Updated Web Development Tools for ASP.NET Core RC2 2016/5/16 |
.NET Core RC2 および ASP.NET Core RC2 に対応した ASP.NET Core Tooling Preview がリリースされました。新バージョンのフレームワークや Visual Studio 2015 向けのツールを入手するには、https://dot.net (英語) にアクセスしてください。
Tooling Preview とは ?
今回のリリースにより、ASP.NET Core と .NET Core のランタイムとライブラリとは別に、Visual Studio ツールが提供されるようになります。これらのフレームワークは RTM 版の準備がほぼ整っており、マイクロソフトでは、それらの新しいツールを使用してアプリケーションを開発、管理するための高度な機能をお届けするべく取り組んでいます。リリーススケジュールの変更については、.NET チームのブログ記事で詳しくご説明しています。ASP.NET の更新の詳細については .NET Web Development and Tools のブログ記事 (英語) を、.NET Core の更新の詳細については .NET チームのブログ記事 (英語) をご覧ください。
.NET CLI のサポート
.NET Core の RC2 リリースでは、.NET CLI (コマンド ライン インターフェイス) が導入され、新しい .NET Core SDK を使用したアプリケーションの開発、パッケージ管理、コンパイルが容易に行えるようになっています。しかし、Visual Studio チームとしては、これらのツールを簡単に使用して作業できる視覚的なツールをお届けしたいところです。そこで Visual Studio ツールという形で、そうしたタスクをサポートするアイテムをまとめ、Visual Studio で .NET ツールを活用できるようにしました。使い慣れた標準のコンパイル ツールを Visual Studio から使用すると、下図のように、アプリケーションをコマンドラインで直接操作した場合と同じコマンド実行が出力ウィンドウに表示されます。
また、.NET ツールの今回の変更により、以前のバージョンの ASP.NET と同じように、アプリケーションを検査するデバッガーのサポートが提供されます。
RC1 と RC2 のプロジェクトのサポート
Visual Studio 2015 で開発した RC1 のプロジェクトは今後も開くことができます。その場合は、プロジェクトを管理する global.json ファイルで、使用している SDK のバージョンを指定する必要があります。
global.json ファイルにバージョン “1.0.0-rc1*” を指定すると、Visual Studio では RC1 のプロジェクトで使用しているコンパイル ツールや管理ツールと同じものが有効になります。SDK の構成オプションからこの値を削除した場合、または SDK の構成オプションすべてを削除した場合、Visual Studio では RC2 対応の新しい .NET CLI ツールが使用されます。この機能スイッチは、プロジェクトを RC1 から RC2 にアップグレードする際に便利です。
.NET Core テンプレート
Web ツールの今回のバージョンから、.NET Core 用テンプレートと .NET Framework 用テンプレートが区別されるようになりました。今後は [New Project] ダイアログを開くと、その他の種類のプロジェクトの場合と同様に、テンプレートとフレームワークを選択するように求められます。
ダイアログの左側には、.NET Core Framework 専用のテンプレートをすべて表示するためのセクションもあります。このダイアログでテンプレートを選択して、.NET Core ベースの Web アプリケーションや、.NET Core コマンド ライン アプリケーション、または NuGet パッケージにコンパイルする .NET Core 互換クラス ライブラリの構築をすぐに始められます。
Web API での認証と承認のサポート
新規 Web API プロジェクトを構成する際に、下図のオプションを選択して、Active Directory または職場や学校のアカウントによる認証を有効化できるようになりました。
これにより、テンプレートが生成するコントローラーに AuthorizeAttribute が実装され、アプリケーションの Startup.cs ファイルにセキュリティ ポリシーを細かく定義できるようになります。
まとめ
今回の重要な更新は、新しい .NET Core と ASP.NET のプロジェクト システムとランタイムに対する Visual Studio 2015 でのサポートを一段と強化するものです。そしてその取り組みはまだ始まったばかりです。このリリースでは、ASP.NET RC2 のランタイムとライブラリに対する最新の Go-Live ライセンスが提供されます。今後も新しい種類のプロジェクトをさらにサポートしていくために、引き続き Visual Studio のエディター機能を進化させてまいります。Visual Studio 向けの最新ツールは、https://dot.net (英語) から入手できます。
Jeff Fritz (.NET デベロッパー アウトリーチ チーム、プログラム マネージャー)Jeff Fritz は長年 Web 開発者として、またシステム アーキテクトとして活躍し、IT 不況の波を乗り越えてきた人物です。約 15 年にわたって金融、製薬、教育業界向けのマルチテナント Web アプリケーションを開発してきた経歴を持ち、数々の大規模な Web アプリケーションのリリースを成功させてきました。個人ブログ (英語) や Twitter (@csharpfritz) でも役に立つ情報を発信しています。 |